不動産投資をするにあたって、物件の各部屋の広さはかなり重要な要素となる。
広ければ高い賃料が取れるのはもちろん、将来築古物件になったときにも、
その時代に応じた様々な設備を設置することが可能で、
「借り手が全くつかない」という可能性が低くなる。
しかし良い面ばかりではない。
建物全体で見れば、部屋を細切れにしたほうが
建物全体としては高い賃料が取れ、利回りが良くなる。
また、賃料が高くなることによって、
比較的高収入の世帯が入居することになる。
高収入の世帯は金銭的に余裕があるため、
ちょっとしたことで引っ越してしまう可能性が高い。
空室になるとリフォーム費用がかかる大家側としては、
頻繁に引っ越してしまう層はあまり良い入居者とは言えない。
今回分析を行うのは、
1Kでありながらかなり広い部屋の物件。
これだけ広いと競合も少なくなるが、投資対象としてはどうなのか分析を行う。
駅からは遠いが圧倒的な広さを持つシングル向け物件
駅徒歩17分だが39平米!
JR京浜東北線の西川口駅徒歩17分の1棟アパート。
1戸あたりの平均平米数は39.22平米とシングル向け物件としてはかなり広め。
バストイレはもちろん別だが、ロフトはない。
平成21年建築で現在築8年。
埼京線も利用可能
駅から17分とかなり遠い印象ではあるが、逆に埼京線の駅も同程度の距離にあり、
都心へのアクセスは数字で見るよりも良い。
周辺は駅前には多くの店が立ち並び、買い物などで困ることはあまりなさそうだ。
建物周辺は比較的閑静な住宅街で、住環境も悪くないように見える。
少し個性のある外観
写真で見る限りではあるが、築8年相応の外観。
好みは別れるかもしれない。
広いので後々様々なリフォームや設備の設置が可能
やはり目を引くのは各部屋の広さと、水回りの充実度だ。
おそらく独立洗面台がついており、キッチンも料理をするのに十分な広さがある。
家の中でゆったりと過ごすにも十分な広さがある物件だ。
あらゆる部分が広いので、リフォームや設備の設置の選択肢の幅がかなり広い。
圧倒的な広さで、競合は少ない
当サイトの親サイト適正家賃ドットコムポルティ賃料査定の「周辺物件分析グラフ(ぶらりマーケティング)」をもちいて、
周辺物件の分析を行った。
同一駅はもちろん、周辺駅にも競合物件は少ない。
ただし、ニーズもその分少ないので、広告戦略が重要となりそうだ。
駅から距離があるというのが唯一の弱点だろう。
この弱点を埋められる特徴をどうやって作り、
アピールしていくかというのがオーナーの腕の見せ所となるだろう。
投資価値はある
工夫次第では中央値よりも高い賃料を狙えるか
想定される賃料は下限が6.5万円程度。
中央値が7.7万円くらい。
上限が8.8万円ほどとなった。
この物件は定量条件以外はプラスの要素はあまりないが、
広すぎる部屋の場合、当サイトのシステム上少し高く賃料が出てしまうということを考慮する必要がある。
とはいえ、工夫次第で十分相場以上の賃料を取れると思われる。
収益性は高い
ひと部屋あたり7.7万円だとすると、建物全体での年間収入は、739.2万円。
表面利回りは7.39%となる。
築8年の物件としてはなかなか高い利回りだ。
広めの部屋であるということを考慮すれば、
長期的にも収入は下落しにくいし、建物を壊したときの土地の価値も高い。
十分投資対象に値する物件であると考える。
また、余談ではあるが、物件価格が1億円と非常に切りの良い数字になっている。
これは、売り主がなんとなくで決めた可能性が高い。
そのため、多少の価格交渉なら可能であると思われる。
改善余地は非常に大きい
改善の余地は本当に様々な方向性が考えられる。
周辺の他の物件の雰囲気を見たり、
入居者の傾向を分析したり、
部屋に足りないものを分析したり、
様々なことを考えることによって工夫の余地は非常に多くあると考える。
リフォームなどでいじるのが好きな方にはうってつけの物件
広めの物件であるということによって、
多少利回りが低くても十分投資対象になるという物件だった。
立地も見た目の数字ほど悪くなく、もし価格交渉が成功すれば、
お宝物件になる可能性も十分にある物件だろう。