「想定利回り」の罠に注意!! JR八王子駅10分6室1棟アパート

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不動産投資の旨味は、「情報の非対称性」にある。
普通のスーパーで卵10個パックで50円で売っていたら、安い。
お買い得なのは誰にでもわかる。
(※見た目や産地、店の信頼性などから品質も推測できる。)
しかし、不動産の価値評価は不動産鑑定士ですら大きくバラける。
そのため、一定の割合で、「格安物件」が存在するのだ。

これを見つける目を持つことさえできれば、
不動産投資のスタート時点でとてつもなく大きなアドバンテージを持って始められる。

まあ、この「目」を身につけるのが難しいのだが・・・

さて、今日は八王子の築古アパートを見てみよう。
細長い物件ですべての部屋は狭めであるが、利回りはかなり高い。

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八王子駅の線路沿い極狭物件

JRも京王も利用可能だが、とにかく狭い

JR八王子駅から10分、京王八王子駅から11分と好立地。
築は29年と、かなり古めで部屋も最低限の広さしかないが、
表示表面利回りは11.3%と、目を引く数字である。

線路沿いという点をどう見るか

JRからも京王からも比較的距離が近いという好立地ではあるが、
建物のすぐ脇を線路が走っている。
これは騒音の面から、かなりのマイナスポイントだと見るべきだろう。

古ぼけてはいないがオシャレではない

築29年の割には、それほど古ぼけた感じはないが、
オシャレとは言えない外観である。
内装をしっかり整えれば、築年数相応の賃料は取れると思う。

この物件の評価のキモはやはり「線路」か

先にも述べたが、やはり裏手に線路が走っているという点がひっかかる。
たしかにこのあたりは線路が多いエリアではあるが、
建物自体に防音対策がしっかりなされていない限り、
賃料としてはマイナスせざるを得ないだろう。
ただ、線路に直接面しているのは一番奥の部屋だけであり、
それ以外の部屋はそれほど大きな騒音には晒されないかもしれない。
また、線路沿いということを逆手に取って、
電車好き向けの部屋としてアピールするという手もあるかもしれない。

ここまで狭い物件は多くない

当サイトの親サイト適正家賃ドットコムの「周辺物件分析グラフ」を用いて分析を行った。

八王子駅周辺でもこれほど狭い部屋はない

JR八王子駅周辺には、同様の物件は多くある。
ただ、本物件の11平米ほど狭い物件はそれほど多くなく、
とにかく安い物件を探している人にターゲットを絞れば、
意外に競合は多くないとも見れるかもしれない。

近隣駅には数件競合物件があるが、利便性で優位

周辺駅にも同様の物件は多数存在する。
ただ、JR八王子駅が最寄りであるという利点は他の駅ではなかなか代え難いため、
周辺駅はそれほど気にしなくて良いと思う。

あまりに狭く、評価は難しい

適正家賃ドットコムのズバッと家賃ADVANCEを用いて分析を行った結果、

想定賃料

八王子駅の想定賃料
下限は2.4万円程度、中央値は3万円弱となった。
入力しない条件は全体的に悪めなので、
様々な工夫を行ったとしても、2.6万円くらいを想定しておいたほうが良いだろう。

収益性はかなり厳しい

物件価格は2218万円なので、想定利回りは8.4%となる。
募集広告の表示は11.3%なので、かなり大きな乖離がある結果となった。
募集広告の表示は現在居住中の部屋の賃料はそのままで計算しているため、
次回募集した際に同程度の賃料が取れるとは限らない点に注意しなければならない。
現在の募集広告の想定賃料はズバッと家賃ADVANCEが算出した結果の上限付近の賃料となっている。
ここ数年、アパートの建築ラッシュにより、特に築古物件の賃料下落が激しい。
また、賃料が安い物件ほど入居者が固定化する傾向がある。
おそらくこの利回りは何年も前、賃料が高かった頃に入居した方の賃料で
計算された値なのだろうと思う。

狭小物件には改善余地はあまりない

個々の部屋が狭いため、改善の余地はかなり少ない。
もし改善の余地があるとすれば、
電車好きの方のための部屋としてうまくコーディネートできれば、
上限賃料付近で制約できる可能性もあるだろう。

もう一つ、私がさっと資料を見て気づいたのは、
建蔽容積率に余裕があるということだ。
もしこの物件を建て替える場合には、現在より少し広めの建物を建てることができる。
土地の形が悪いなどの悪条件はないため、ちょっと工夫するだけでかなり広めの物件が建てられるだろう。

高利回りは期待できない

11.3%という高利回りの物件を分析したが、
実際に運営するにはかなり厳しいということがわかった。
賃貸不動産を長期で運営する場合、今後どの程度の賃料で貸せるのかという視点が欠かせない。
表面利回りだけ見て判断してしまうと、とんでもない罠にハマる可能性がある。

一方で、容積率に余裕があるという点は資料から読み取れる重要な情報だ。
物件特有の立地や条件を活かせば、すぐには利益は出せなくても、
長期的にはお買い得ということがある。
このような「なかなか見えずらい利点」を探すのも不動産投資の醍醐味なのではないだろうか。

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