不動産投資を行うにあたって、最も大切なことは「収益が上がるかどうか」だろう。
もちろん、キャピタルゲイン狙いというのも大切な要素ではあるが、幾分ギャンブル的な要素が強い。
日々の収益性を軸に投資を考えていくほうが長期で安定した収益が得られるだろう。
そういう意味で不動産投資において、最も大切なのは「賃料がいくら取れるか」である。
さてその賃料、どうやって推測するのか。
現賃料?
現地の仲介会社にヒアリング?
周辺物件と比較すればおのずとわかる?
確かにどれももっともらしい方法ではあるが問題も多い。
これについては別の記事にて。
さて、このブログではこの最も大切な賃料予測を行っていく。
使うツールはこのサイトの親サイト「適正家賃ドットコムポルティ賃料査定」で実装されている様々なツールだ。
主に「ズバッと家賃ADVANCE」と「周辺物件分析グラフ(ぶらりマーケティング)」を用いる。
これらの使い方は各記事の中で少しずつ紹介していく。
それでは本題。
記念すべき第1回目の物件は上大岡の6戸1棟アパート。
この物件が投資に値するかどうかを「賃料と募集」という観点に絞って分析する。
物件状態としてはごくありふれた物件
定量条件はごく一般的なシングル物件
京急上大岡駅徒歩15分、築24年、1戸当たり16.01平米。
バストイレ一体型、ワンルーム、ロフトなし。
立地は駅から遠いのがネックか
横浜市に多い「丘の上の住宅街の一角」のようだ。
住環境としては悪くない可能性が高いが、駅前以外にはあまりお店はないと考えてよいだろう。
外観は悪くない
写真を見る限り、外観は築24年にしてはきれいで、内装も結構しっかりしている可能性が高いだろう。
駅から遠いのがやはりネック
2路線利用可能な地域ということで、学生や若い社会人などのニーズはある可能性が高いが、
駅から比較的遠い割には狭いので、募集には少し苦労すると考えられる。
競合物件分析
親サイト「適正家賃ドットコムポルティ賃料査定」の周辺物件分析グラフ「ぶらりマーケティング」にて分析を行った。
同一駅の競合物件は多い
上大岡駅周辺だけでも同じような広さの物件で築年数が若いモノ、
駅からの距離が近いものが非常に多く存在していることがわかる。
周辺駅にも競合物件は多い
周辺駅にも同様の物件が多く存在する。
周辺駅で駅近な物件や、周辺駅でもう少し平米数が広い物件、
周辺駅でもう少し築年数が新しい物件などとも競合するため、
やはり募集ではかなり苦労すると考えられる。
投資対象としては少し厳しいか
想定賃料は3.5万円が安全
親サイト「適正家賃ドットコムポルティ賃料査定」の「ズバッと家賃ADVANCE」で本物件を分析した結果、
賃料の中央値は、約4.2万円、下限は、約3.5万円となった。
上記の周辺環境や競合物件のことも考えると、
高くても4万円、場合によっては3.5万円程度を想定しておく必要がある。
また、古くて競合が多いことから敷金礼金はほぼ取れないと想定しておくべきだろう。
収益性としては厳しい
1部屋当たり3.5万円として、6部屋で年間252万円。
物件価格が3650万円なので、表面利回りは6.9%となる。
1部屋当たり4万円と見ても、表面利回りは7.9%程度だろう。
築古アパートでこの利回りなら投資対象としては非常に厳しいと言わざるを得ない。
部屋が狭く、改善余地もあまりない
様々な工夫を行うことによって、投資価値がある物件に生まれ変わらせることが可能かどうかについてだが、
そもそも部屋が狭く、工夫する方法も非常に限られ、競合物件との差別化はなかなか難しいだろう。
投資対象としては少し難しいという結論
今回は上大岡徒歩15分の築古アパートの分析を行った。
競合が多く、賃料もあまり高くは望めない。
また、築古である上に狭めであるため、工夫の余地もあまりない。
銀行の融資も引きやすい物件ではないため、
価格が下がってこない限りなかなか厳しい物件だろう。